レインウエアーのお話〜続編

先日このブログで書いた、レインウエアーの話の続きです。

前回は雨天時に快適に使えるウエアリングとして、「防水透湿素材」を使ったウエアーをお薦めしたお話でしたね。

この「防水透湿素材」としてとても有名なのが、ご存知の方もたくさんいる「GORE-TEX」ですね。個人的な感想で言えば、一時は不動の地位を確立した感がありました。でもこの GORE-TEX製品 最近はとても高価になった感じがします。

しかし防水透湿素材の代名詞だったと思っていた GORE-TEX も今ではそうではなくなってきたようです。そして必ずしも GORE-TEX 製品を選ばないといけない訳ではなくなってきたようです。たくさんのメーカーが防水透湿素材を開発してきました。そしてこういったメーカーが競争してもらうことによってユーザーとしては、こういった防水透湿素材製品の性能が上がるとともに価格が下がる、といった好ましいことが起きてきます。例えば、ミズノが開発した「ベルグテック」なんかもそうですね。価格は GORE-TEXを使った製品と比べるとはるかに安いものです。

ところでこの防水透湿素材には、大きく分けて2種類のものがあります。一つは、それはフィルムのようになっていて、通常のレインウエアーの生地に貼り付ける、ラミネートするタイプ。もう一つは、レインウエアーの生地に塗料を塗り付けるイメージと言ったらいいでしょうか、いわゆるコーティングするタイプです。

ラミネート系で代表的なものでは

GORE-TEX
ベルグテック
オムニテック
ブリーズドライテック
イーベント

そしてコーティングタイプの代表例は

ハイベントD
スーパーハイドロブリーズ
エントラント

他にも色々とありますが、こんな感じでしょうか。ちなみに今あげている製品名は、素材の製品名でありウエアーのブランド名ではありませんのでご注意してください。各メーカーのウエアーについている素材タグに先の名前を見ることができます。

ラミネート系の特徴は、フィルム(メンブレン)の劣化が無いということ。けれどもコーティング系に比べて高価です。コーティング系はメンブレンに比べて安いのですが、主なコーティング素材であるポリウレタンは経年変化で性能が劣化するのが弱点です。

それと、防水透湿のウエアーを選ぶ際にはちゃんと縫い目の裏側に、目止めのテープ(シームテープと言います)があること、そしてファスナーからも水が浸入しないよう防水ファスナー等になっているかを確認してください。きちんとしたブランドであれば、この辺は問題ないのですが、稀にとても安い製品にこのあたりの処理がされてないものがあります。また、防水透湿素材を使っていても雨具や山岳ウエアを想定していいなければシームテープが無い場合があります。

ここで、注意点です。防水透湿素材の製品は、必ず表になる側に撥水効果(水をはじくことです)が必要だということです。何故かというと、もしレインウエアーの表面が雨に濡れて一面に水の膜ができてしまったらどうでしょう。せっかく透湿した水蒸気が水の膜のせいで外へ出ていくことができません。そうすると、レインウエアーの内側が自分の出す水蒸気で結露し、結果蒸れるしひどい場合には、内側から下着が濡れてしまうということになります。

ただこの表面の撥水効果も、使用過程で効果が落ちてきます。簡単に効果を戻すにはほとんどの場合、洗濯することです。これは、起毛(繊維が立っている状態)していた表生地が汚れ等により繊維が寝てしまったものを、洗濯することにより再起毛させることができるからです。この起毛による撥水効果は、植物の葉をイメージしてみてください。それでも効果が思うように戻らない場合には、防水スプレーを使ったり撥水効果を戻すためのケミカルが販売されていますので、それらを使用します。これは、それぞれのメーカーの生地によりますので、販売店やメーカーにお聞きいただいて、最適のものを使ってください。


と、簡単?に書いてみましたがいかがでしょうか?参考になれば幸いです。詳しく書くともっと長く長くなるので、概要を知っていただければと思います。最近のウエアーは、実は技術が結集されたものだったりします。こういった技術を調べるのも面白いかもしれませんね。